
映画や小説にも登場する、そんな絵になるカクテルが「マティーニ」です。
カクテルグラスに注がれた無色透明なそのカクテルには、ピンに刺されたグリーンオリーブがひとつ。そこにはフルーツなどの華やかな装飾はなく、ベルモットとジンの香りだけが雄弁に語る・・・そんな凛とした雰囲気を纏うカクテルが、カクテルの帝王と呼ばれたマティーニです。
そんなマティーニには、無数のレシピとアレンジがあります。まず基本的なマティーニをご紹介し、マティーニのイメージが変わるアレンジレシピをご紹介します。
王道カクテル スタンダードなマティーニ
- ミキシンググラスに氷と水を入れてステアし、ミキシンググラスをしっかり冷やしたら余計な水気を切ります。
- ドライジン45ml・ドライベルモット15ml・氷を入れてステアし、ストレーナーをかぶせてカクテルグラスに注ぎます。
- 好みでレモンピールをひと振りし、カクテルピンに刺したオリーブを沈めてできあがり。
時代と共に進化した味わいを見せてきたマティーニは、現代ではドライジンとドライベルモットで作るのがスタンダード。ジンのキリっと引き締まった味わいにドライベルモットの柑橘系・ハーブの風味が加わり、シンプルながらも奥深い味わいを醸し出すカクテルです。そのシンプルさゆえに、バーテンダーさんの心意気が見えるカクテルとも言われています。
ではそんなマティーニのアレンジレシピをご紹介します。
バランスの取れた味わい パーフェクトマティーニ
- ミキシンググラスに氷と水を入れてステアし、ミキシンググラスをしっかり冷やしたら余計な水気を切ります。
- ドライジン40ml・ドライベルモット10ml・スイートベルモット10ml・氷を入れてステアし、ストレーナーをかぶせてカクテルグラスに注ぎます。
- 好みでレモンピールをひと振りし、カクテルピンに刺したチェリーを沈めてできあがり。
甘口と辛口のふたつのベルモットを使うことで、よりハーブとスパイスの風味が増し、甘味が加わり、スタンダードなマティーニより飲みやすいアレンジです。スイートベルモットはドライベルモットに比べてハーブやスパイス・カラメルの風味が豊か。ジンもたくさんの種類がありますので、ドライジンにこだわらず、ジュニパーベリーの香り豊かなジンに変えても楽しいですね。
上品な果実の香り漂うミスティア・マティーニ
- ミキシンググラスに氷と水を入れてステアし、ミキシンググラスをしっかり冷やしたら余計な水気を切ります。
- ボンベイサファイア45ml・ミスティア15ml・氷を入れてステアし、ストレーナーをかぶせてカクテルグラスに注ぎ、できあがり。
ボンベイサファイアは通常のジンより多くのボタニカルを使い、独自の製法で作られた、深く華やかな香りと味わいが楽しめるジンです。そこに加わるミスティアは、南フランスのマスカットを使ったリキュール。マスカットブランデーの奥深い香りとオレンジフラワーの華やかな香りが、マスカットの瑞々しい風味を引き立たせ、華やかで上品なマティーニに仕上がりました。大人の女性の上質な夜に添えたいカクテルです。
マティーニのオリーブ問題
マティーニのオリーブですが、本来は味に関わりなく別の意味があったのだとか。
カクテルグラスに入った無色透明のカクテルは種類が多いため、バーで複数注文があった時にウェイターさんが間違えないように、ドライのカクテルにはオリーブを、甘いカクテルにはチェリーを、バーテンダーさんが入れて置いたのが始まりだと言われています。そのため、マティーニに入っているオリーブは必ずしも食べなくてはいけないものではなく、食べても食べなくてもどちらでも良いそうです。
カクテルグラスで提供されるカクテルは、あまり時間をかけずにさっと飲み切るのが粋というもの。まずマティーニそのものの味わいをひとくち楽しみ、オリーブをかじってリセット。オリーブの風味を感じながら次のひとくちを楽しみ、その余韻を楽しみながら飲み切る・・・なんてスマートですよね?今夜はそんな楽しみ方をされては如何でしょうか。