
カクテルと言えば、ジンやウォッカ、ラムなどのスピリッツや、カルーアやブルー、アマレットなどのリキュールがよく使われていますが、目立たないけれども無くてはならない材料に、ベルモットと呼ばれるフレーバードワインがあります。
今回はそんな無くてはならない名脇役のベルモットについてと、ベルモットを使ったおすすめのカクテルについてご紹介します。ぜひカクテルにも主役を立てるための脇役がいることを知り、色んな材料に目を向けられるようにしましょう。
目次
ベルモットとは
ベルモット(Wermut)はドイツ語でニガヨモギという意味があり、白ワインをベースにしてニガヨモギやコリアンダーなどの香草やスパイスを加えて作られたフレーバードワインのことです。ベルモットは聞いたことがない人も多いと思いますが、’カクテルの王様’と呼ばれるマティーニや、’カクテルの女王’と呼ばれるマンハッタンの材料にもなっており、あらゆる種類のカクテルに使用されています。日本ではベルモットはカクテル以外であまり飲まれることはありませんが、欧米では食前酒や料理の材料として頻繁に用いられています。そんなベルモットは、スイート・ベルモットとドライ・ベルモットの2種類に分けられています。
スイート・ベルモット
スイート・ベルモットはイタリア発祥のベルモットで、イタリアン・ベルモットとも呼ばれています。スイート・ベルモットには赤みがかったロッソと、色のないブランコに分けられており、それぞれ甘みや苦みのバランスが異なります。
ロッソは、カラメルで着色が施してありハーブの風味が前面に出ているのが特徴ですが、口当たりはまろやかで甘みに加え苦みあるので、カクテルに使うと独特な味わいに仕上がります。一方ブランコは、甘口ワインのようにスムースで苦みがないのが特徴なので、炭酸水などの割って飲んでも美味しく味わえます。
ドライ・ベルモット
ドライ・ベルモットはフランス発祥のベルモットで、フレンチ・ベルモットとも呼ばれています。ドライ・ベルモットはシンプルンでクセがないのが特徴で、料理に向いているベルモットです。スイート・ベルモットのような甘みはありませんが、苦みはビアンコよりもあるので、キリっとしたカクテルに使うと馴染んでくれま0す。
ベルモットが主役の『ベルモット・ハーフ&ハーフ』
ベルモットは脇役的な存在になりがちですが、そんなベルモットが主役になれるカクテルが、こちらの『ベルモット・ハーフ&ハーフ』です。スイート・ベルモットとドライ・ベルモットの二種類のベルモットを使うことによって、甘みと酸味がうまくバランスのとれたカクテルになります。またベルモットの銘柄の組み合わせによっても、上品な味になったり、苦みのある大人な味になったりするので、ぜひ色んな組み合わせを試してみてください。
ベルモット・ハーフ&ハーフの材料
・ドライ・ベルモット 1/2
・スイート・ベルモット 1/2
・お好みでレモンスライス
ベルモット・ハーフ&ハーフの作り方
①氷を入れたロックグラスに2種類のベルモットを注ぐ
②よく混ぜる
③お好みでレモンを入れる
辛口で大人な『アフィニティ』
アフィニティ(affinity)とは’親近感’という意味があり、それぞれの材料の発祥であるイギリス、フランス、イタリアの交友関係を表したカクテルです。材料はどれもアルコール度数が強いのでこのカクテルもアルコール25度以上になりますが、味は辛口ではあるものの以外にさっぱりしています。
アフィニティの材料
・スコッチウイスキー 30ml
・ドライ・ベルモット 15ml
・スイート・ベルモット 15ml
・アンゴスチュラ・ビターズ 2dash
・レモンピール
アフィニティの作り方
①シェイカーに全ての材料を入れて混ぜる
②カクテルグラスに注ぐ
③レモンピールを振りかける
飲みやすい『ワイオミング・スイング』
ワイオミング・スイングは、ドライ・ベルモットのすっきりとした味と、スイート・ベルモットの苦み、オレンジジュースの甘みがうまく調和した飲みやすいカクテルです。
ワイオミング・スイングの材料
・ドライ・ベルモット 1/3
・スイート・ベルモット 1/3
・オレンジジュース 1/3
・ガムシロ(カリブ) 1/2tsp
・炭酸水 適量
・お好みでカットオレンジ
ワイオミング・スイングの作り方
①炭酸水以外の材料をシェイカーで混ぜる
②ゴブレットに注ぐ
③炭酸水を注ぐ
④お好みでカットオレンジを飾る