数えきれないほどにあるカクテルの中で「カクテルの王様」と言われているマティーニ。
なぜ、マティーニはカクテルの王様なのでしょうか。
レシピはいたってシンプルなのに、他のカクテルには決してない奥深さのあるカクテル、それがマティーニなのです。
この記事では、マティーニがカクテルの王様と言われる理由やその魅力に迫ります!
目次
マティーニのレシピ
冒頭でも述べましたが、マティーニのレシピはとてもシンプルです。
ドライ・ジンにドライ・ベルモットを加え、オリーブを添えたら完成。
どうでしょう、一見とても王様の名にふさわしいようなカクテルには思えませんよね。
ですが、逆に言えば基本中の基本であるということです。
カクテルはマティーニに始まりマティーニ終わる、どんなに複雑で派手なカクテルが流行しても、こう言った基本的なカクテルをしっかりと作れなければ一流にはなれない、王様という言葉にはそんな思いが込められているのかもしれませんね。
シンプルな分、アレンジは無限大
カクテルの王様と言われるひとつの理由に、そのバリエーションの豊富さがあげられます。
1979年に発行されたマティーニのレシピブックでは、ベースとなるスピリッツを変えて作ったり、添えるオリーブを他の物にしたり、リキュールを加えたりと、そのバリエーションは268種類ほど掲載されており、世界一レシピの多いカクテルとしても有名です。
中でも、日本酒をベースで作る、マティーニならぬサケティーニは、日本人なら一度は試して頂きたいカクテルです。
バーテンダーのこだわりを一番に感じられるカクテル
マティーニのレシピはシンプルですが、これほどまでに作り手であるバーテンダーのこだわりが、一番感じられるカクテルも他にありません。
材料も少なく、分量もある程度決められているのになぜ?と思う人もいるかもしれませんが、材料の冷え具合や少しの分量の差、使う酒の銘柄で基本的なマティーニの味は大きく左右されることになります。
だからこそ、プロとして意識の高いバーテンダーであれば、マティーニには強いこだわりをもっていることが多いので、出される側もよく味わって楽しむのがマナーと言えるでしょう。
様々な逸話を持つマティーニ
マティーニというカクテルには、それにまつわる逸話も数えきれないほど存在します。
映画「7年目の浮気」では、マティーニを口にしたマリリン・モンローがその辛さに耐えられず、「私の故郷ではマティーニに砂糖が入っているのは当たり前なの」と嘘をついて甘くするよう、作り手にリクエストするシーンなども有名です。逆にイギリスのチャーチル元首相は、マティーニをさらに辛口で頂くべく、ジンをグラスになみなみと注ぎ入れ、ベルモットのビンだけを眺めてドライ・ジンだけで飲んだとも言われているそうです。マティーニは作る人、飲む人によって形を変える、人や時代の移り変わりを体現したようなカクテルなんですね。
シンプルだからこそ、王道
マティーニがなぜカクテルの王様と言われるようになったのか、その答えは時代や人が紡いだ歴史の中にあるものなのかもしれませんね。
Barに行った際にはぜひマティーニをオーダーして、作り手のこだわりやその瞬間に流れる時間を味わいながら、マティーニの魅力に酔いしれて頂ければと思います。