フランスのコアントロー社が作り上げた、ホワイトキュラソーのひとつ「コアントロー」は、カクテル・お菓子作り・料理の風味付けなどに用いられるリキュールです。
その魅力は、スピリッツにドライビターオレンジの果皮と、フレッシュとドライの二種類のスイートオレンジの果皮を漬けることによる、複合的な香り。その豊潤なオレンジの香りは、温かい紅茶やハーブティーに入れるなど、温めると華やかに香り、ほのかにビターな風味が味に奥行きを与えてくれます。まろやかでコクのある甘味は甜菜糖によるもので、好きな方はそのままストレートで飲む方もいるほど、世界中を魅了してやまないリキュールなのです。
そんな奥深いリキュール・コアントローを、シェイクの技法で味わうカクテルを紹介します。
目次
言わずと知れたカクテルの王道・マルガリータ
- カクテルグラスのふちを1周レモンで湿らせ、グラスを逆さにして塩をつけ、スノースタイルにします。
- シェイカーにテキーラ30ml・コアントロー15ml・レモンジュース15mlを入れます。
- 氷適量を入れてシェイクし、スノースタイルにしたグラスに注いだらできあがり。
マルガリータといえばグラスのふちに塩をあしらった“スノースタイル”ですが、塩をあしらうことでコアントローの甘みが引き締まり、オレンジの香りが華やかさを添えてくれます。
ところでマルガリータは、メキシコのとあるホテルのバーテンダーが、どんなお酒も塩をなめながら飲むガールフレンドのために作られ、ガールフレンドの名前をとって名付けたと言われています。そしてコアントローもまた、「世界中の女性が好むリキュール」を作り上げることを目標に作られたリキュールです。
そんな思いが込められたコアントローは、自由な精神とエレガントさを兼ね揃えた当時のパリジェンヌたちの毎日に、元気と輝きを与えていたのでしょうね。
頑張る女性応援カクテル!コスモポリタン
- シェイカーにウォッカ30ml・コアントロー・クランベリージュース・ライムジュース各10mlを入れます。
- 氷適量を入れてシェイクし、カクテルグラスに注いだらできあがり。
クランベリーとライムの爽やかな酸味が、コアントローの上品な甘味とベストマッチ。女性にも飲みやすいカクテルです。スタンダードなレシピではウォッカを使っていますが、レモンやオレンジなどのブルーバードウォッカを使うと、さらに香りが華やかになります。
また、このカクテルの名前“コスモポリタン”とは、「国際人」や「世界共通」という意味があり、また、故郷をもたない「根なし草」という意味もあります。そんなカクテル・コスモポリタンが人気となったのは、女性の国際的な社会進出が顕著になってきた1980年代。コアントロー創始者の思いも相まって、コスモポリタンは頑張る女性に、自由と勇気を与えるカクテルだったのかもしれませんね。
くるくる変わる表情の虜!カクテル・リトルデビル
- シェイカーにドライジン・ホワイトラム各20ml・コアントロー・レモンジュース各10mlを入れます。
- 氷適量を入れてシェイクし、カクテルグラスに注いだらできあがり。
“小悪魔”という名前が付いたカクテル・リトルデビルは、まさにその名にふさわしい、様々な表情を持つ味わいです。乳白色の優しい色合いとはうって変わって、ひとくち含めばアタックは強く辛口。柑橘系の甘酸っぱさとコアントローの奥深い甘味がふわりと舞い降りる、不思議な味わいです。
その味の移り変わりの虜になり、飲みすぎないように注意が必要です。
コアントローは女性の幸せのために
コアントローを使ったカクテルは柑橘類との相性が良く、甘いだけではないオレンジの元気な香りを味わえるカクテルになります。その香りは幸せそのもの。またコアントローにはいくつかバージョンがありますので、使いなれてきたら好みに合わせてチョイスすると新しいカクテルの楽しさが広がると思います。