カクテルには数え切れないほど種類があって、それぞれに異なった名前がありますが、その中でもシンプルなネーミングが光るカクテルに「ハンター」があります。とはいっても、野山で職業として狩猟をする方のハンターではなく、いわゆる「都会のハンター」の方なので、意味合いとしては遊び人を彷彿とさせます。けれどもそんな都会のハンターも、洗練されたビジュアルであるとか、人当たりのよさであるとか、要するに魅力がなければ務まりません。このカクテルにも、そういった抗い難い魅力があります。
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ハンターのレシピ
ハンターはウイスキーベースのカクテルで、ステアして作るのがオーソドックスなレシピ。ウイスキー40mLとチェリーリキュール20mLをミキシンググラスに加え、ステアしてカクテルグラスに注げば完成です。非常にシンプルなレシピなので、お酒のチョイスが重要になります。ウイスキーの中でもライウイスキーを指定するレシピが多いですが、スコッチウイスキーを推奨するレシピもあり、作り手や飲み手の好み、あるいはケースバイケースであるとも言えます。飲んでみるとわかりますが、甘さを感じるカクテルになっていて、この甘さは主にチェリーリキュールによるもの。甘口のハンターに仕上げるならチェリーリキュールを多めに、辛口に仕上げるならチェリーリキュールを控え目にすることで調整がききます。ウイスキー40mL+チェリーリキュール20mLというレシピは比較的甘口です。辛口にするなら、ウイスキー45mL+チェリーリキュール15mLで作ってみましょう。お店によってはシェイクで仕上げる場合もあります。この場合、お酒に含まれる成分が泡立ち、カクテルグラスに注いだ時、表面にほんのわずか泡の層が浮かぶようになります。味わいもステアで仕上げる場合とは異なりますので、どちらが自分好みか比べてみてもいいでしょう。
ハンターに使うウイスキーは
ハンターはお酒のチョイスが味を大きく左右します。そのため、カクテルのレシピを紹介する本によって、それぞれ違うウイスキーを使っていたりします。ただ全体としては、おそらくスイートなチェリーリキュールとのバランスを取る目的で、ドライなライウイスキーが多くおすすめされています。国内で最も大衆的で知名度の高いライウイスキーと言えばジム・ビームでしょう。その他ミッチャーズやノブクリークも人気があります。もちろん、ライウイスキーで作らなければ正式なレシピでないのかと言えばそんなことはなく、スコッチウイスキーで仕上げても間違いではありません。自分の舌に合う組み合わせを探してみましょう。
チェリーリキュールで見た目も変わる
チェリーリキュール(チェリーブランデー)と括られるジャンルのお酒には様々な製法のものが混在しています。キルシュヴァッサーは比較的ドライで無色透明の見た目ですが、例えばヒーリングチェリーはスイートな味わいにチェリーらしい暗めの赤色がついたリキュールです。赤いチェリーリキュールを使えばハンターも赤みを帯びた仕上がりになりますが、キルシュヴァッサーのような透明なチェリーリキュールを使えば、見た目上はウイスキーの色合いに近くなります。